国道38号線、桜井薬房の中に併設されている「整体院 俊 TOSHI」。
店内へ入っていくと右手にマッサージベッドが並び、施術スペースが広がっている。
オープンから間もないが、 山部の農家の方々をはじめ、遠方から施術を受けに訪れる方も増えているそう。
以前は会社員だった院長の矢羽田 忠俊さんは、カンボジアで10年間飲食店を経営していた。
ラーメンやカツ丼などの日本の庶民的な家庭料理を提供するお店で、 現在は娘さんが受け継ぎ、現地で味を守り続けているそうだ。
カンボジアに移り住んだ当初は、現地の習慣や文化の違いに戸惑ったという。
「例えばカンボジアは車の優先が逆なんですよね。手を挙げても渡れない。待ってたら一生渡れないんです。笑」と苦笑い。
習慣や文化に戸惑いながらも慣れてきた頃、いずれ日本に帰国するその時のために手に職をつけておきたいとの思いから、カンボジアで整体を学ぶ事を決意した。
そこで訪れたスクールの講師がたまたま日本人だったそう。
同時期に入校している生徒が少なく、マンツーマンで指導を受けることができた。
「授業料も安く、日本の1/10くらいの価格だったのも助かりました。」と忠俊さん。
現在の職業は”整体師”。
忠俊さんが仕事で一番大事にしていることを聞いてみた。
「お客様に『気持ちよい』と言っていただけるよう、その方の状態に合わせた施術を心がけ、筋肉をほぐすことに重きを置いています。」とのこと。
ひとりひとりへの”思いやりの心”が、地元の人たちをはじめとするお客様の心を掴んで離さないのだろう。
施術の様子を撮影させて頂いたが、ファインダーの向こう側の手は身体と向き合い、会話をしているようにも見えた。
「整体は民間資格なんです。国家資格の鍼治療や電気での治療は施術できるポイントが決まっているけど、それが決まっていない整体は痛いポイントに直接施術できるのが強みです。目標は、痛みがあって来店されたお客様に『治ったからもう行かなくて良いや』と思ってもらうことなんですよね。」と、忠俊さんは目を輝かせながら力強く語ってくれた。
そして、実は奥様の美香さんも整体師だそう。
「お二人同時に施術できるので、ご夫婦での来院も大歓迎です!」とのことだ。
忠俊さんの”私の山部自慢”は、
『芦別岳が近く、雄大な自然を感じながら山の中にいるような不思議な感覚を味わえる場所であること』。
自身が偶然の出会いをきっかけに整体院を創めたこともあり、人との出会いをとても大切にしているように感じた。